原料は産毛。希少で上質なサステナブル素材「キュプラ」とは?
1.綿花の種の産毛から生まれる「キュプラ」
あまり聞き慣れない「キュプラ」。
キュプラとは、天然素材を原料とした再生繊維で、スーツやジャケットの裏地や春夏のアイテムに使用されることの多い素材です。シルクやサテンのような光沢感のある質感が特徴。
キュプラは原料の特性上、サステナブルな素材と言われています。原料は”コットンリンター”と呼ばれる綿を収穫した際に採れる綿の種子の周りにあるうぶ毛です。
コットンリンターは、繊維が短く綿糸には使用することができないため、本来は廃棄されてしまうことも多く、資源の有効活用という面でサステナブルな素材となっています。

2.キュプラの由来・作り方
原料であるコットンリンターを酸化銅アンモニア溶液というものを使って、溶解させてから繊維を作っていきます。
その溶液の名前が「Cuprammonium(キュプラモニウム)」と言い、キュプラの意味はその頭部分「Cupra」から来ているとされています。
繊細な原料を手の込んだ製造過程で生産するため、製造難易度が高いとされており、キュプラを製造できる工場は国内外でもそう多くありません。
「キュプラ」はとても希少で上質な素材と言えるでしょう。

3.キュプラの特徴
キュプラの特徴は大きく4つ。
①高級感のある光沢
高級スーツの裏地などにも使用されているキュプラ。サテンよりもテカテカしすぎない上質な光沢感がアイテムをグッと高級感のある仕立てに引き上げます。
②滑らかな肌触りと体を包み込むしなやかさ
腕を通すと、引っ掛かることなく生地が伝っていく滑らかな肌触りも特徴。サラッとした肌触りでありながら、しなやかに体に密着し、美しいシルエットを実現します。
③優れた吸湿性・放湿性
吸湿性・放湿性に優れムレを軽減させる働きをします。裏地やルームウェア、春夏向けのシャツなど、さまざまなアイテムに適しています。
④静電気が起きにくい
ポリエステルやナイロンといった合成繊維に比べ、天然素材からできているキュプラは保湿性に優れているため、静電気が起きにくく、ストレスフリーな着心地を与えてくれます。

4.お手入れ方法
キュプラは繊細な生地であるためお手入れは丁寧に行うことがポイントです。
特に摩擦に弱いとされているので、ゴシゴシと洗うのは避けましょう。摩擦によって毛羽立ちが目立つ可能性があります。
ぬるま湯で優しく手洗いをする、クリーニングに出すなどがキュプラを長く綺麗に使うにはおすすめのお手入れ方法です!
